車のオーバーヒートを防ぐ!症状や原因。間違った対処は危険

車のエンジントラブルの一つに『オーバーヒート』があります。
オーバーヒートとは、その名の通り過剰に加熱されてしまう症状で、エンジンルームから煙がでたり、場合によっては火の手が上がる事も考えられます。
こういった事が突然起こると慌ててしまいますが、しっかりとした対処をしないと症状を悪化させてしまう事も考えられます。
今回の記事では、オーバーヒートの原因、予防策、オーバーヒートになった時の対処策について説明します。
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オーバーヒートの原因
オーバーヒートはエンジンの温度が異常値になった際に起こりますので、考えられる原因は、何かしらの要因によって冷却システムにトラブルが起きているという事になります。
【冷却水の減少】
最も考えられる要因として、冷却水不足が考えられます。
本来は極端に減る事のない冷却水ですが、ウォーターポンプやラジエーターキャップなどの劣化によって液漏れを起こす可能性があるのです。
冷却水は、エンジンの熱をラジエーターに運び排出する役割を果たしていますので、この機能が働かないと短時間でオーバーヒートに繋がってしまいます。
画像引用:JAF
こちらはJAFの実験結果。規定量6.3リットルの冷却水を2リットル抜き取り実験をしていますが、走行開始6分後には103度を超えており、正常値より高い数値になっています。
110度を超えるとオーバーヒート気味とされるので、このまま走行を続けるとオーバーヒートを起こすかと思われます。
また、液漏れを起こしている場合は、2リットル以上減っている事も考えられるので数分以内にオーバーヒートを起こす可能性も考えられます。
【ウォーターポンプの故障】
こちらは、冷却水を循環させる部品となっており、不具合が生じると熱の排出ができなくなります。
【冷却ファンの故障】
こちらも、エンジンを冷やすのに欠かせない部品です。
作動しないと5分後には120度を超えて、沸騰した冷却水がリザーバータンク内に溢れ出しました。
異音も発生し走行テストは行えない状態に。
110度でオーバーヒート気味と説明しましたが、115度を超えると完全にオーバーヒートの状態となります。
あと数分エンジンをかけ続けたら焼きつきを起こしていたでしょう。
【エンジン用サーモスタットの故障】
サーモスタットは、温度の自動調節装置。温度を基準値に保つ役割を果たしており、故障するとオーバーヒートに繋がります。
【エンジンオイルの不具合】
エンジンの排熱はラジエーターで行っているイメージが強いのですが、エンジンオイルも排熱の役割を担っています。
エンジンオイルの交換を怠ると排熱能力が徐々に落ちてしまいますし、不足しても十分な排熱ができなくなってしまいます。
オーバーヒートの症状
次にオーバーヒートの症状を確認しましょう。
オーバーヒートはいきなり起こる事はほとんどなく、多くの場合、前兆が起こります。
そのため、『初期』『中期』『末期』といった症状のカテゴリー分けができます。
オーバーヒートの初期症状
【水温計の上昇】
最も分かりやすい症状として、水温計の上昇が考えられます。正常値は、C〜Hの中間辺りとなっていますが、オーバーヒートになるとHに達します。
ただ、Hにまで達すると既に危険な状態となるので「Hに近い状態」や「普段より高い温度」になっている場合は、何かしらのエンジントラブルが起きていると考えて下さい。
【車が遅く感じる】
オーバーヒート気味になるとエンジンに不調をきたすので、加速能力が落ちます。オーバーヒートの進行とともに顕著に症状が強くなります。
【回転が安定しない】
オーバーヒートの症状を起こすとエンジンが安定しないため、運転していても違和感を感じられます。
【アクセルを踏むと異音】
アクセルを踏んだ時に『カリカリ』というノッキング音が聞こえます。
【冷却水の臭い】
車に乗り込む前に甘ったるい臭いを感じたら冷却水漏れの疑いがあります。
オーバーヒートの中期症状
【水温計の針が振り切る】
水温計の針が振り切ると本格的にオーバーヒートの状態となります。
【車が遅い・回転が安定しない】
これらの症状も初期に比べて顕著に感じられます。
【キンキン音】
エンジンから『キンキン』という高い音が聞こえます。
オーバーヒートの末期症状
【水温計がCを示す】
オーバーヒートによりガスケット等の部品が壊れると冷却水が漏れだし、水温計はCを示します。
【エンジンが停止】
アイドリングが安定しなくなり、最終的にはエンジンがかからなくなります。
【コンコン音】
エンジンから『コンコン』という甲高い異音が聞こえます。
【焦げ臭い】
焼けた焦げ臭いにおいが充満します。
【ボンネットから煙】
ボンネットから白い煙があがります。次第に視界を遮るほどの濃い煙になります。
オーバーヒートの対処法
対処1 車を停車
まずは、車を停止させましょう。
どんな初期症状であってもまずは車を停止させエンジンを切る必要があります。
「あと少しで家だから…」といった形で数百メートル走らせただけでも致命的なダメージを受けてしまう可能性が考えられます。
対処2 冷却水を確認
停車したら冷却水の液量を確認します。
冷却水はエンジンの熱によって膨張しますので、Hの印を超えている場合や、吹き出した形跡がある場合は、ガスケット破損などが考えられます。
Hを超えている場合は、運転して移動しようとはせずにロードサービスを呼びましょう。
また、冷却水が白濁と濁っている場合は、エンジンオイルが部品の破損によって混入している可能性が考えられます。
対処3 エンジンオイルの確認
冷却水に問題がない場合は、エンジンオイルの不具合が考えられます。
エンジンを停止させて5分以上経ってからエンジンオイルの量や状態を確認しましょう。
レベルゲージで適正値内であれば量は問題ありません。
オイルが極端に少ない場合は、エンジンオイルの交換だけではなく漏れの確認のために整備工場で診てもらう必要があります。
また、金属の粉など異物が確認できる場合は、内部の部品に不具合が生じている可能性があります。この場合も整備工場で診てもらいましょう。
対処4 ロードサービスを呼ぶ
車の知識があまり無い場合は、「冷却水と言われても…」「エンジンオイルの確認って…?」と、難しい部分があるかと思います。
そのため、不安な場合は、最初からロードサービスに連絡をしても問題ありません。
オーバーヒートの前兆がある状態での運転はとても危険です。ロードサービスを呼ぶ十分な理由となります。
オーバーヒートの予防策
水温計を確認
オーバーヒートの前兆は最初に水温計に現れます。
しかし、水温計の針に注意を払う人は少ないかもしれません。多くの場合、水温計の異常に気がつかないままオーバーヒートを起こしてしまいます。
ですが、その他にも、
- 加速が悪くなる
- 回転が安定しない
といった前兆も同時に感じられますので、こういった症状を感じたら水温計を見るようにして下さい。
これらの症状+水温計の異常があった場合はオーバーヒート気味と考えて間違いありません。
冷却水を定期的に確認
オーバーヒートの原因で最も多いのは冷却水の不足です。
そのため、定期的に冷却水の量を確認しておくとオーバーヒートを事前に防げます。
車検や12ヶ月点検でも確認される項目ですが、ご自身でも3ヶ月に1回ほど確認できると安心です。
エンジンオイルの確認
次にオーバーヒートに繋がりやすいのはエンジンオイルの不足です。
こちらも、点検などで確認してもらう項目ですが、3ヶ月に1回ほどはご自身で確認できるとオーバーヒート予防に繋がります。
違和感を感じたらストップ!
繰り返しになりますが、オーバーヒートはとても危険な状態。
前兆を感じたら迷わず車を停止させエンジンを切りましょう。最悪の場合、エンジンの載せ替えといった事にもなり、数十万円の修理費用がかかってしまいます。
1度オーバーヒートを起こすと、ほとんどのケースで修理を必要とします。「エンジンが冷えたから」といった判断で再び走りだすのはリスクが高いので、冷却水等の確認に自信がない場合は迷わずロードサービスを呼びましょう。
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